Takahiro Koyano –
“Alive for the End of the Start“
supported by Ex-pro
作家 小谷野貴弘 Takahiro Koyano
会期 2019年11月21日(木)-11月26日(火) 12:00-20:00(最終日は17:00まで)
製作関係者 小谷野 貴弘、大森 陽、Bryan(KOH BOON CHIN)
協賛 Ex-pro
一つがおわり、次のひとつがはじまるその間にあるものとはなんなのだろう。
定められた運命とはなんなのだろう。 今この瞬間の出来事は、今日朝起きた時に、自分が生まれた時に、この世界が生まれた時にはもうすでに始まっていたかもしれない。もしかすると、そのずっとずっと前から。しかしこの瞬間は、ものすごい速度で情報を保全するものたち(過去)とそれに反逆してゆくものたち(未来)に区切られてしまう。その移り変わる様子を体験することは果たしてできるのだろうか。今この瞬間にも様々なおわりとはじまりが続いているかもしれない。
未来からくる、物語と意味を持たないモンタージュ映像と、リアルタイムに解析され集積する過去の様子をマルチプロジェクションによって投影し、EX-proとの協賛により実現したサウンドによって、未来から送られ過去へ集積してゆくその瞬間を音によって経験される「Alive」。
日本だけでなくアイスランドでBjörkのバックストリングスでも活躍をするカルテットグループ、 Siggi String Quartetの映像を制作し、国際的にも活動をしている若きサウンドアーティスト、小谷野貴弘による初個展。
作家プロフィール
小谷野貴弘 – Takahiro Koyano 1996年神奈川県生まれ、2019年にアイスランドでのアイスランド交響楽団メンバー から結成されたグループ、Siggi String Quartetとの共同プロジェクトvisual work for opacity by Siggi String Quartetを皮切りに国際的な活動を開始したアーティスト。 映像だけでなく様々な媒体を使った音響、空間作品を制作し、同年開催の展示にて 時間概念における今”alive”の連続性をテーマにしたインスタレーション”Alive for the end of the start”を発表。
開催資料
世界の両極性と時間の多様性を空間全体を使って構成した多層的なインス タレーション。二面の対立した壁には予感、啓示、反逆、未知と集積、情 報、保全、既知、データに関わる要素がそれぞれ割り当てられ、人口尺度 の連続性や無限要素と言った項目も加わり考察されています。光、形、色 などに還元された直接捉えられない未知のもの、知らないものを取り上げ た映像と、淡々と音声データを解析しリアルタイムに堆積してゆく情報の集 積といった空間的な隔たりによって表わされた時間の二極性が音によって 繋げられるさまは、時間の間に介在する「今」の連続性、そしてその連続 的な「今」を受け渡し続ける私たちの可能性とその制限を表してもいます。 むき出しになった配線によって作動するALIVEによって、確かに存在する時 間システムの秩序とその混沌とした捉えきれない領域への困惑や制限、畏 怖が示されています。部屋の端におかれたサムソナイトからは、一つ前のプ ロジェクト、「visual work for opacity by siggi string quartet」に関する当 時の事前調査やメモ書き、スケッチが散らされており、当時未知だったも のが同時に現在の過去としてインスタレーションを機能させているさまは 始まりと終わりの連続性においてこの空間「今」が存在していることを表 し、限りないものにある秩序を示しつつ、人が関わることで起こりうる可 能性と不可能性が一体に昇華されています。